ニッコール 50mm f1.4、ライカLマウント。日本光学製。1949年頃の製造。
当時発売していたf3.5、f2を超える大口径高速レンズとして登場しましたが、すぐにf1.4が完成したため、約1年間ほど生産されただけの短命に終わりました。一見するとライカクセノン 50mm f1.5にも似た外観です。
シリアル番号は捨て番905と907の2つがあり、こちらは907の個体。ライカマウントとニコンSマウントが半々ほど作られ、合計で約800本の製造に留まります(つまりライカ用は400本程度)。
レンズ構成は3群7枚のゾナータイプ。絞り開放付近は繊細で甘い写りが特徴的です。最短撮影距離は距離計連動で1m、非連動では45cmと、その後に続くf1.4と同じです。麗しい描写を見せる一本。
珍品。
当店過去販売品です。お客様に大切に使われ、当店に出戻ってきました。
多少の小キズや擦れはありますが、この時代のレンズにありがちなメッキの傷みもほとんど見られません。大切にされてきたことが伺えます。
2023年にフルOHを行っています。現在も絞り、ヘリコイドの操作感はしっとりと滑らか。距離計連動も正確です。
ガラスにはごく軽微な拭き傷や小さなシミが見られますが、撮影への影響はまず見られないでしょう。クモリは見られずスカッと抜けています。このレンズとしてはかなり綺麗なガラスです。実写テスト結果も良好でした。