ズマリット50mm f1.5の後期型。絞り指標の刻みが絞りリング側となり、またフィルターやフード用の外バヨネットが廃され、わずかな変更ですがよりモダンなルックスとなりました。
ライツの製品コードはSOOIA。152万台、1957年製。翌1958年にはズミルックス 50mm f1.4初期玉の製造がスタートするので、本品はズマリットでは終わりの方のロットとなります。5群7枚構成。メートル表記。フィルターサイズはE41、スチールリムと同じサイズです。
レンズ構成はクセノン50mm f1.5と同じながら、新種ガラスの採用とコーティングにより性能が大幅に向上しました。
初代ズミルクス35mmと並んでクセ玉と呼ばれ、絞り開放での描写はやわらかく、距離によっては目の回るようなボケ感も楽しめます。絞り込むとコントラストがググッと上がり、シャープで濃厚な描写へと変化します。オールドレンズらしい個性豊かなレンズです。
鏡胴先端部付近に使用に伴う軽微な擦れが見られますが、全体的にはしっとりとした梨地肌のクロームメッキが美しいズマリット後期型。
2024年7月にフルOH済。丁寧な整備により、絞りやヘリコイドリングは適度なトルク感で心地良い操作感。ズマリットはヘリコイドの動きが重いものばかりですが、この個体はストレスなく使えます。
ガラスは前玉に軽微な拭きキズ、中玉にクリーニングで取り切れなかったくもりがわずかに残っていますが、撮影への影響は無いでしょう。傷やクモリだらけの個体が多いズマリットでは、上位のガラスコンディション。コーティングは全面しっかり残っています。
距離計連動もバッチリ。気持ち良くお使い頂けるズマリットです。
純正の前キャップが付属します。