アンジェニュー・ズーム 45-90mm。1968〜80年に製造された、ライツ初のズームレンズ。当初はライカフレックス用としてラインナップされました。本品はライカ Rマウント、3カム。製造番号は127万台。この番号はライツでは無くアンジェニュー社のシリアル番号で、1969年の製造です。アンジェズームとしては初期の個体です。
12群15枚という複雑なレンズ構成、f2.8通しと魅力的な明るさです。フィルターサイズは67mmねじ込み、またはフードと組み合わせてシリーズ 8を使用します。
どの焦点距離においても、アンジェニューらしいしっとりとした単焦点レンズのような描写をお楽しみいただけます。特に近接では甘いフレアと美しいボケを伴った、濃厚な開放描写を味わえます。絞り込んでもやわらかさが残るあたりが実にアンジェニューですね。
通常使用に伴う軽微な小傷や塗料落ち、テカリは見られますが、良好な外観をキープしています。アタリや凹みはありません。
ライカSLに装着し試写しましたが、その姿はなかなかクール。この組み合わせでアンジェズームを使っている方は多いでしょう。直線基調のレンズデザインがライカSLに良く似合います。フラッシュバック公認ライカSL用標準レンズとして認定笑。
2024年3月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感は、巷のアンジェズームとは一線を画す滑らかさに仕上がっています。アンジェニューズームはズーミングによりピントの位置が移動する傾向がありますが、この個体もわずかながらその傾向が見られます。
ガラスは多少のコーティング傷みは見られますが、クモリや目立った拭き傷は見られず、かなり綺麗な状態を保っています。アンジェズームとしては、かなり上位のガラスコンディションです。
試写館に作例を掲載しました。前オーナー様と当店スタッフの作例を織り交ぜております。ご覧頂ければ幸いです。
フード、純正前後キャップ、ディスプレイケースが付属します。