日本光学製。ライカLマウントの距離計連動式標準レンズ。先代のニッコール-S.C 50mm f1.5が登場した翌年、1950年10月の登場です。
3群7枚構成のゾナー型を踏襲していますが、f1.5が完全なるツァイス製ゾナーのコピーであったのに対して、独自の改良を加えて進化させたレンズがこのf1.4。
ヘリコイドの距離表記はfeetです。1mまでは距離計連動、その先は非連動となりますが、50cmまでの撮影が可能です。
本品は捨て番5005がシリアルナンバーに付与された、初期の一本。1950年5月に設計出図されたことから、50(年)05(月)という番号が付与されたそうです。この捨て番5005の個体は2,000本ほどの製造とされ、ニコンSマウントとライカスクリューマウントの両方が存在しています。
Nikkor 1.4用のKenko製UVフィルター、黒塗りの純正前後キャップが付属します。
銘板のシリアルナンバー末尾付近のフィルター枠にアタリ修正痕が見られますが、付属のKenko製UVフィルターの装着は問題ありません。
他、軽微な使用感は見られますが、気兼ね無く持ち出すにはちょうど良いコンディションでしょう。
2024年3月にフルOH済。丁寧な整備により、絞りとヘリコイドは大変滑らかな操作感で距離計連動もバッチリ。
ガラスは経年によるヤケやごく薄い拭き傷は見られますが、クモリは無く、このレンズとしては綺麗なガラスです。
実写テスト結果も大変良好でした。試写館に作例を掲載しました。全て絞り開放での撮影です。柔らかく穏やか、繊細な描写が印象的です。
連動範囲では距離計でピント合わせをしており、1m未満の距離ではライブビューでの撮影です。近接側にも楽しい世界が広がります。