フランスの銘玉、アンジェニュー 50mm f1.5 Type S21。前期型。1953年製、S21のデビュー初年度の製品です。feet表記。プリセット絞り。
ダブルガウスの4群6枚構成。
絞り開放付近では、ベールに覆われたような美しいフレアと豊かなボケ味で大変美しい描写。アンジェニュー独自の外観スタイルもたまりません。レンズが奥まった形状はフード要らず、その美しい外観をフード装着で損なうことなくお使い頂けます。
適合フィルター径は51mmまたは51.5mmとなかなか出て来ないサイズですが、本品にはKenkoの汎用52mmフードが一回転弱で装着出来ます。
本品はエキザクタ・マウントですが、見事なライカMマウント改造が施されています。ライカMマウント部がアダプターとなっており、オリジナルのエキザクタマウントにもすぐに戻せる優れモノ。
アンジェニュー S1前期型の特徴である、目が細かいアルミ製のシルバーのバンドもしっかり再現しており、オリジナルと見まがうような仕上がり。
クビレ具合とバンドのアクセントが効いたスタイリッシュ外観は、激レアな純正S1ライカLマウントをも凌ぐやも知れません。しかも距離計連動バッチリ。ライブビューでは、0.4m付近までの接写も可能。ライカ＆オールドレンズ愛好家垂涎の1本です。
純正前キャップが付属。珍品。
当店過去販売品です。お客様に大切に使われ、この度当店に出戻って来ました。
鏡胴には少々使用感が見られますが、目立つ擦れ傷やアタリは見られません。使い込まれた個体が多いアンジェニュー50mm f1.5前期型としては、とても良いコンディション。
レンズヘッド部は2023年にフルOHを行っています。丁寧な整備により、絞りとヘリコイドは潤いを感じる、しっとりとした操作感を維持しています。距離計連動は絞り開放からビシバシと決まります。スタッフも仰天の連動精度でした。
前玉に数本のごく浅い傷、中玉周辺に強いLED光でやっと見える程度のごく薄いクモリが見られますが、ガラスの真ん中はスカッと抜けています。
ライカで距離計にて使用する際には、S21本体のヘリコイド指標を無限遠の位置に固定しておき、アダプター部のヘリコイドで距離合わせを行います。S21側のヘリコイドを繰り出せば、ライブビュー専用とはなりますが0.4m付近までの接写が可能です。
実写テストでもS21らしい甘美な写りが味わえました。試写館をご覧頂ければ幸いです。
絞り開放付近での柔らかく、幻想的な写りを存分にお楽しみ頂きたい一本。絞りを効かせれば透明感のある描写へと変化、作画イメージに合わせて調整する楽しさがあります。S21でライカ距離計連動、夢が叶います。
