製造番号3万台の1930年製のライカ A型 後期型を、後年ライツにてDIIへアップグレードされた個体です。レンズの時代を合わせるのであれば、無番の新エルマーがピッタリでしょう。
純正アップブレードは、ライツから供給されるアップグレード専用パーツが用いられており、一部には通常のライカDIIとは異なる部品が使われています。手の込んだ対応ぶりにライツらしさを感じます。ちなみに海外では 、これらライツによる純正改造をFactory Conversionと呼んでいます。
吊り環無しでスッキリとしたコンパクトなボディ。優しさすら感じるニッケルメッキとブラックペイント仕上げのA型から距離計付きへとアップグレードされ、また大切にされてきたヒストリー。旧き佳き時代を味わえる一台です。
トップカバーや底蓋のカド部にペイント落ちが見られますが、通常使用に伴うものでごく自然な風合いです。ニッケルメッキの状態も良く、全体的に良い雰囲気。アタリや凹みは見られず、長く大切にされてきたことが伺えます。
2024年にOH済。各部の動作快調に仕上がっています。ファインダーの見え味も良好です。距離計は等倍なので、倍率が下がるライカM型シリーズよりピント合わせがし易いという利点も。
フィルム装填から撮影まで、時間を掛けてゆったりと撮影をお楽しみください。