ELANG 。黒塗りにニッケルメッキの輝きが美しい、1932年製のファット・エルマー 90mm。製造番号は13万台。3群4枚構成。ヘリコイドはmeter表記。ファットエルマーには非連動も存在しますが、本品は距離計連動タイプ。
国内では「ダルマ」のニックネームで昔から親しまれて来ました。1931年、当初はライカ C型用の距離計非連動用として発売され、1932年のライカ DIIの発表と共に距離計連動バージョンへと正常進化、翌1933年には鏡胴が細くなった通常のエルマー 90mmへと進化し姿を消します。ライカ DII、DIIIの黒&ニッケルボディに装着すると実に映えるレンズです。
本品はガラスも綺麗で描写バッチリ。ベークライト製純正前キャップと黒塗りの後キャップが付属します。ダルマエルマーとしてはかなり良いものです。
鏡胴先端部やヘリコイドリングなどに使用に伴うペイント落ちが少々見られますが、ファットエルマーとしてはかなり良い外観コンディション。ニッケルメッキの輝きも美しく、大切にされてきた個体であることが伺えます。製造より92年もの歳月が経過したとは思えません。
2024年1月にフルOH済。絞り、ヘリコイドの操作感はとても滑らかに仕上がりました。距離計連動もバッチリ。
美しい外観と相まって、ガラスにも目立ったクモリや拭きキズは見られず、スカッと抜けたとても綺麗なガラスです。
このファットエルマーの太い鏡胴内部には内面反射を抑えるための遮光板が6枚も入っており、実に凝ったつくり。今回のフルOHの際には、遮光板も含む鏡胴内側の内面反射防止艶消しラッカーも丁寧に塗り直され、更に締まった描写が期待できます。
コレクションにもどうぞ。