キヤノン 50mm f0.95。1960年のフォトキナで発表するなり、世界中から賞賛を得たキヤノン製の超大口径レンズ。
ズノー 50mm f1.1、ニッコール 50mm f1.1、フジノン 50mm f1.2、ヘキサノン 60mm f1.2、そしてキヤノン 50mm f1.2など、1950年代の国産大口径レンズ競争がひと段落した1961年に販売開始されました。別名ドリームレンズ。
新種ガラスを5枚使用し、5群7枚のレンズ構成。元はキヤノン 7/7s用の専用バヨネットですが、本品はライカ Mマウントへ改造済。フィルター径は72mmねじこみです。
絞り開放f0.95〜f1.4では、独特の柔らかな写りが印象的。f2以降は解像力とシャープネスがグンと高まり描写が豹変し、撮影が実に愉しいレンズです。
後玉がマウント面よりわずかに飛び出していますので、取扱いにはご注意を。
ヘリコイリングに小さなペイント剥がれが見られるなど、少々の使用感はありますが、目立った傷やアタリはなく清潔感のある個体です。
2023年にマウントの再加工を含むフルOHを行っています。
絞り、ヘリコイド共に重量級のレンズの操作に最適なトルク感。ピント良好、距離計連動もバッチリです。反射防止ラッカーも丁寧に塗り直され、本来の描写が期待出来ます。
前玉に薄い拭き傷や軽微なコーティング傷みが見られますが、写りにはまず影響はありません。他はクモリやカビ跡等も見られず、スカッと綺麗なガラスです。
実写テスト結果も大変良好でした。逆光でも個性ある写りがしっかりと楽しめる一本。試写館に作例を掲載しました。ぜひご覧くださいませ。