セイキキヤノン。キヤノン最新型。精機光学工業(現キヤノン)製。1939年から、大戦を挟んで1946年頃まで製造されました。
製造番号が軍艦部に刻印されるようになり、スローシャッターを装備、コマ数計がボディ前面から巻き上げダイヤル下に移動、トップカバーが一体型から二体型になったことなど、標準型から最新型となり大きな変化もありますが、ポップアップ型のファインダー(ビックリ函)等、ハンザ・キヤノンの面影もしっかり残っています。
ハンザキヤノン(標準型)から引き続き、日本光学からニッコールレンズの供給を受けています。ニッコール 50mm f2、f2.8、f3.5、f4.5、レントゲン用レグノニッコール f2付きのバリエーションがありますが、レンズ交換の際にはカメラ本体に合わせた調整をする必要があります。本品は首絞りのニッコール50mm f2付き。
マウント部の被写界深度はf2から始まっており、レンズの絞り値は7段階で最大絞りはf16となっています。いずれも最新型の後期の特徴で、本品のボディとレンズは時代的にも合っています。
セイキキヤノンの生産台数は約1600台と言われています。
巻戻しノブ部分にごく僅かにアタリがあり、ノブがわずかに斜めになっています。また、底蓋にメッキ落ちや小傷等、また各所にメッキの擦れや劣化が見られますが、他は光沢の強いメッキが輝いています。
2024年9月にOH済。各部作動快調です。付属する首絞りのニッコール50ミリ f2レンズも大きな傷などは見られず、年代を考慮すればかなり良いコンディション。
レンズ前玉やごく僅かにガラスのヤケと軽微な拭き傷が見られますが、最新型のニッコールとしては綺麗なガラスです。
レンジファインダーは僅かにコントラスト低下がありますが、距離合わせに支障はありません。ポップアップ式ファインダーの見え味も良好です。
後に日本を代表するカメラメーカーとなるキャノン黎明期の一台。
革ケースと時代は下がったものですがレンズ前キャップが付属します。珍品。