日本光学製レンジファインダーカメラ、ニコン S4。1959年、ニコンS3の普及機として登場しました。ファインダー枠は35mmを省き50/105mmのみを表示、セルフタイマー省略、コマ数計を手動式、モータードライブ非対応とすることで価格を抑えた普及機。
とは言うものの、ライバルのキヤノンPなどには価格面や販売施策面で後塵を拝し、5,898台を販売したのみに留まりました。
35mm枠が無くなったおかげでファインダーも見やすく、セルフタイマーが省略されデザインはすっきりホールディングも良好。信頼性の高いSP、S3譲りのシャッター性能はしっかりと引き継いでおり、安心してバンバン撮影を楽しめる良いカメラです。
付属レンズは50mm f1.4。絞り開放でのやわらかな描写ではオールド感をたっぷりと味わえます。S4には50mm f2が標準装着ですので、ちょっぴりアップグレードされています。
トップカバーや底蓋のクロームメッキ部には細かな擦れがやや多く見られ、全体的に使用感が見られます。アタリや目立つようなキズはありません。気兼ね無く使うには持って来いのコンディション。
2024年7月、専門業者さんにてファインダーと距離計の清掃を行っています。ファインダー内のガラスには劣化や腐食が見られます。本来の見え味そのままとまでは言えませんが、ファインダーはスカッと見えており、距離計像のコントラストもしっかりしています。各部の動作は正常。距離ダイヤルの動きもスムーズです。
付属のニッコールレンズの後玉には、円状の浅い擦れ傷と周辺部のバル切れ、中玉周辺部に軽微なコーティングの劣化、絞り羽根には少々の油が見られます。
ボディと同じく、使い頃の50/1.4用フード、純正前キャップが付属。
コンディションはそれなりですが、気兼ねせずガンガン使い込むのには丁度良いS4です。