シムラー 50mm f1.5、ライカスクリューマウント。東京光学製。1953年頃の製造。岡田氏・上野氏の共著、「35mm版オールドレンズの最高峰 50mm f1.5」によると、本品は1938年に冨田良次氏が設計。前群ゾナー型、後群ガウス型を組み合わせた独自の4群7枚構成。双方の収差を新種ガラス以前にバランスをとって極小化することを試みた、画期的なレンズであるという評価が記されております。
中心部の解像感の高さと周辺の甘さが良い具合のレンズですが、絞り開放f1.5を誇るオールドレンズとしては驚異的な描写と言えるかもしれません。小振りながら重量は326gとズシリと重さを感じます(実測)。フィルター径は40mm。
珍品。
クロームメッキ部に軽微な擦れは見られますが、全体的には使用感少なく綺麗な外観です。シムラーとしてはかなり良好なコンディション。
2023年11月にフルOH済。渋くなりがちな絞りやヘリコイドリングの動きは、見違えるような滑らかさに仕上がりました。距離計連動も良好です。
前玉にごく薄い拭き傷がやや多く見られますが、クモリは無くスカッと抜けたガラスです。シムラー/トプコールとしては、キレイ目なガラスでしょう。実写テスト結果も良好でした。
試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。雰囲気の合ったwalz製UVフィルターが付属。