製造番号5万台の1930年製のライカ A型後期型を、後年ライツにてDIIへアップグレード、その後にIIfへ再度アップグレードされたであろう一台です。
これらの純正アップグレード機には、ライツから供給されたアップグレード専用のパーツが使われており、A型にそのまま通常のDIIやIIfのパーツが入るわけではありません。当時のライツの細やかなカスタマーケアが見て取れる一台でもあります。
本品はコンパクトなライカ A型 / DIIのボディサイズながらも、中身はIIfという変わり種。黒&クロームのセミクロームボディで、赤エルマーはもちろんのこと、ズマリット、固定鏡胴ズミクロンやズミルックスなどを付けてもバッチリ決まる一台です。
また、本機にはA型やDIIには無い吊り環が付いているのが、実にありがたいポイント。ヒトとはちょっと違ったライカを持ちたい貴兄に。
30年以上前、当店のお客様がドイツのライカ老舗中古店で購入された個体です。往時の純正アップグレードを含め、100年近いロングヒストリーが刻まれた一台。
トップカバーは僅かにペイントが剥がれ真鍮が出ていますが、アタリや凹み等は見られず、実に良い雰囲気、良き味わいです。
2023年6月にシャッター幕交換を含むOH済。丁寧な整備により、各部の作動滑らか、ファインダーもスカッと綺麗な見え味です。
視度補正や吊り環もついており、スローシャッター不要の方には持って来いのバルナックライカ。