製造番号は18,000番台。末尾はゾロ目。1929年、昭和4年製造のライカ A型、新エルマー付。世界恐慌が起こり政治経済の混乱を経て、世界が第二次世界大戦へと突入していく激動の時代を見つめてきた、歴史の証人とも言える一台です。ベルリンの販売店のマークが付いており、正真正銘のドイツ国内モノ。
距離表記はメートル。レリーズはカラーが付くタイプで、ノブ類は目の粗い刻みと、各パーツもしっかり当時物のフルオリジナル。
マッシュルームやエクボレリーズの初期のA型とは異なり、フィルム巻戻しの際はレリーズボタンを押す必要が無くなっており、一般的なカメラ操作方法の範疇です。
つるりと可愛らしい付属の純正レンズキャップは、真鍮製にブラックペイント仕上げ。裏には丁寧に別珍が貼られています。
製造から94年が経過しているとは思えない、良好な外観を保っています。使用に伴う多少のペイント落ちは見られますが、A型としては少ない方でしょう。大切にされてきたのでしょう、落下によるアタリや凹みも見られません。Optik-Photo Messter Berlinのバッジも良い雰囲気。
2013年に当店にてOHを行っていますが、万全を期すべく、2023年9月に絞り、ヘリコイドの整備とピント点検、貼り革の浮き補修を行いました。巻き上げ、シャッター等、各部の操作感滑らかに仕上がっています。ファインダーの見え味もスカッとクリアー。レンズも目立った拭き傷やクモリも見られず、綺麗なガラスです。
35ミリフィルムカメラの原点となったライカA型。ロマンを感じながら存分に撮影をお楽しみください。