ミランダ T。ミランダ銘。ボディ番号は556xxx。標準レンズのズノー 5cm f1.9付。1955年8月に発売された、国産最初のペンタプリズム式35mm一眼レフカメラ。また、脱着可のペンタプリズム採用も日本初。
前年に発売された試作機フェニックスを製品化し、登場したモデルです。レンズマウントは独自の44mmスクリューマウント、外側4本爪バヨネットの二重構図。シャッター速度は1/500まで。各種のマウントアダプターも発売され、またごく少数ブラックペイントボディも製造されました。
付属のズノー 50mm f1.9は4群7枚構成。最短撮影距離約45cm。プリセット絞り付き。
発売当時はこのレンズの他にスープリーム 105mm f2.8が用意されていました。なお、フランジバックが短いことを活用し、エキザクタマウントレンズ用のアダプターが最初に用意されていたようです。
やや稀少。
ペンタプリスムや底蓋等に細かい擦れやキズ等の使用感が見られます。
2024年にカメラのシャッター調整、ファインダー清掃、メカ部のグリスアップを行っています。シンクロ同調は未整備です。綺麗なプリズムとスクリーンで、ファインダーの見え味良好です。
レンズはピント調整を含むフルOHを行っています。絞り、ヘリコイドの操作感は抜群の仕上がりです。レンズは前玉裏面にガラス劣化のため顕著なクモリが見られます。逆光などの条件では、コントラスト低下など一定の影響が見られるでしょう。
なお、レンズ後玉表面はマウント面よりわずかに出っ張っており、レンズを卓上に置く際にはくれぐれもご注意ください。
レンズのくもりが取れませんでしたので、ご奉仕価格にてご提供。国産カメラ史の金字塔、コレクションにも好適な一台です。