カール・ツァイス・イエナ製。ビオゴン 35ミリ f2.8戦前型。本品は稀少なツァイス純正のオリジナル・ライカ・スクリューマウント。後玉が突出したこのビオゴンは、コンタックス II / III型用が良く知られていますが、ライカ Lマウントも少数製造されました。
ツァイス本(電話帳)によると、本品は1947年9月5日にライカ Lマウントとして出荷されたロットです。ロシア製改ではありません。
Tコーティング。距離計連動。アルミ鏡胴は実測97gと大変軽量です。後玉が突出していますのでお取り扱いにはご注意を。
前キャップは戦前のZeiss Jena製。稀少品。
当店で販売した個体が出戻って参りました。
2021年フルOH後に販売しましたが、万全を期すため2023年にレンズヘッドを再度OHしています。絞り、ヘリコイドは滑らかで心地良い操作感を保っています。アルミ鏡胴には腐食が少々見られますが、ビオゴンとしては綺麗な外観です。
ガラスには整備で除去出来なかったコーティングの経年劣化によるクモリが強めに見られますが、実写にはさほど影響無いようです。光がもろにレンズに入り込むような意地悪な逆光条件でもテストを重ねましたが、ビックリするほど良く写ります。
作例を試写館に掲載しました。カラー、モノクロそれぞれの作例を掲載しています。カラー撮影では紫色の色被りがみられます。中心部の解像力は絞り開放でも見事です。水面の滑らかさ、掴めるかのような小花の存在感。流石ツァイスですね。ライカで堪能できるライカ・ビオゴンです。