ライカ・スクリューマウントのニッコール Q.C 5cm f3.5。首絞り。絞り表記は国際式(f3.5、4、5.6...)。3群4枚構成のテッサータイプ。Nippon Kogaku Tokyo銘。
製造番号は610xx。中玉に青っぽいソフトコーティングが施されています。ヘリコイドの距離表記は、かなり少ないと思われるmeter。ちなみにロトローニ本に掲載されてる、非常に近い製造番号の61053もmeter表記でした。
ニッコール 50mm f3.5は、1935年にハンザキャノンに装着されたものがそのルーツとなっていますが、本品は戦後すぐの1945年末から製造を再開し、キャノン SII等のライカスクリューマウント互換機用に供給されたものと思われます。
日本光学が戦後の民需品への転換を図る中で開発され、日本の光学産業の戦後復興と発展を象徴する一本です。
本品の5ケタのシリアル番号は6から始まっており、製造年は1946年と思われ、かなり初期のニッコール 50mm f3.5でしょう。バルナックライカで奥までしっかり装着できる、標準的なライカスクリューマウントです。
稀少品。
沈胴部分にメッキに擦れ、銘板部分にも浅い小傷が見られますが、その他大きな傷やアタリなどは見られず、このレンズとしてはかなり綺麗な外観です。
2024年にフルOH済。丁寧な整備により、絞りヘリコイドの操作感滑らかです。
ガラスはクモリも無く、スカッと抜けて綺麗なコンディション。距離計連動も良好です。
実写テスト結果も良好で、とてもシャープな写りが印象的でした。試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。全て絞り開放での撮影です。