オリンパス・ズイコー 40mm f2.8。オリンパス光学工業製で唯一のライカスクリューマウントのレンズ。1950年に登場。ニッコールやキヤノンの35mmレンズが登場し、役目を終える1952年頃まで製造販売されていました。距離計連動。4群5枚構成。コーティング付。フィート表記。コンパクトな鏡胴で重量は実測132g。
当時は駐留軍などへの免税販売を中心として売られていたと言われています。広角寄りの40mmという焦点距離と確実な描写力が評価され、以前から評価の高い準標準レンズとして定着しています。
ずしりと重い専用ファインダー(実測48g)と純正前キャップ、革ケースが付属。連合国軍占領下の製造品のため、革ケースにはMADE IN OCCUPIED JAPANの刻印がされています。
わずかにメッキのくすみこそ見られますが、目に付く様な傷や歪みは見られず、かなり綺麗な外観です。
2024年に専門業者にてレンズ清掃、ヘリコイドのグリスアップ、絞り羽根清掃済。ファインダー清掃も行っており、見え味はスカッとクリア。
レンズには強いLED光にかざしてやっと分かる程度のごく僅かなコーティングの傷みと、中玉にごくごく浅い拭き傷が見られますが、実写への影響はまず見られないレベルでしょう。実写テスト結果も良好でした。
試写館に作例を掲載しました。距離計連動はごくわずかに前ピン傾向ですが一段絞ればOKですので適正範囲でしょう。試写館をご覧頂ければ幸いです。
40mmという使い易い画角、f2.8という程よい明るさ、コンパクトな鏡胴、中心のしっかりとした描写力、となかなか魅力的な一本です。