1956年製造のライカM3、前期型。ダブルストローク(ツーストローク)。製造番号は91万台。ライツの製品コードはIGEMO。吊り環は福耳。三脚ネジは小ネジです。
最高傑作とも呼ばれるライカ M3。この後、シングルストロークの後期型へと移行してゆきますが、本品は熟成期とも呼べる時代のM3前期型の魅力に溢れます。メッキや各部の質感などは、この頃が絶頂期とも呼べるでしょう。
本品は綺麗過ぎず、適度に使われて来た雰囲気の個体で、実用にも好適。グッタペルカが全面貼り替えられてしまっているのが残念ですが、その分リーズナブルな価格設定とさせて頂きました。フィルムのM型入門にも公的な一台です。
僅かな擦れが見られる程度で、大変綺麗なトップカバーです。対して底蓋には目立つ擦れ傷が多く見られます。グッタペルカは近年の革に貼り替えられていますが、パッと見は違和感を感じません。
2023年7月にOH済。各部の操作感滑らかに仕上がっています。しっかり整備された2ストローク巻上げボディならではの、チャッチャとリズミカルな巻上げに撮影へのモチベーションも上がります。この辺の万台を好むユーザーが多いのにも納得です。ファインダーはバル切れなども見られず、スカッとクリアー、M3ならではの見え味がご堪能頂けます。
なお、M3前期で大口径レンズを使うに当たっては、当時の取扱説明書に記載の通り、撮影しない時はキャップを付けたり、絞りを絞り込んでおくなどのお作法をお守りください。
これまでも活躍してきたと思われるこのM3前期型、気兼ね無く使うのに持って来いの一台です。