1933年製のライカ DIIIを、戦後ライツ社にてIIIfへ純正アップグレードした一台。ダイヤル部や吊り環、レバー等はクロームメッキ、他はブラックペイント。いわゆるセミクロームと呼ばれるタイプです。
シンクロ接点やバルブのガイド番号が入り、モダンな印象になりつつも、視度補正や底蓋の銀象嵌などに、ライカ DIIIだった頃の名残を残します。
シャッター速度が1/20、1/30...となっている事から、IIIfブラックダイヤルの頃に改造(コンバージョン)された個体だと思われます。
見た目は黒塗りIIIfながら、ボディサイズは小振りなDIIIのままなので、手のひらへの収まりもすっぽりと良い感じ。クロームのレンズなら何でも似合う、包容力のある一台です(笑)。特に固定鏡胴ズミクロンを装着した姿には惚れ惚れします!
当店販売品。2021年にOHの後、当店のお客様が使われていました。お帰りなさい!使用による適度なペイント落ちは見られますが、目立った傷や凹みなどは見られず、雰囲気の良い外観です。
各部の動作快調です。操作感も滑らかで、ファインダーの見え味もクリアです。
グッタペルカは近年の貼り革に変わっていますが、違和感は感じません。
見た目も格好良く、経てきた歳月にも思いを馳せられ、眺めているだけでも楽しい一台です。