英国のPeto Scott社が製造し、イルフォード社が販売したライカコピー機、ウィットネス。1952年頃の製造です。製造台数350台以下と言われるレアカメラ。
古今東西数多あるライカコピーの中でもひときわ秀逸なデザインで、Witnessのロゴも最高、Tシャツを作りたくなる格好良さ。
当初、WitnessにはDaron 50mm f2.9が標準装着される予定でしたが、それではスペックが凡庸との理由で、急遽大口径のダルメイヤー・スーパーシックス 2inch f1.9が採用されたそうです。往時も現在も高性能で評を博す、4群6枚ダブルガウス型の銘玉です。
Witnessは専用バヨネットながら、ライカ・スクリューマウントにも互換対応。各種のLマウントレンズが装着できます。また、その反対に、Super-Six 2inchレンズはライカボディ各種でお使い頂けます。
Super-Sixレンズは最短3.1ftまで距離計連動。そこからはピントレバーのボタンでストッパーを潜り抜けると、非連動ながら1.8ftまで近接が可能です。珍品。
三脚穴付近に軽微な凹み、またボディの黒塗り塗装は多少剥げていますが、他、目立ったアタリは凹みは見られず、ウィットネスとしてはなかなか綺麗めな外観です。
ボディ、レンズ共に2023年12月にOH済。ボディはシャッター幕交換済。各部の操作感良好、ファインダーの見え味もスッキリ、二重像のコントラストもしっかりしています。
レンズは前玉や中玉にごく浅い拭き傷、中玉や後玉にコーティングの荒れが見られますが、スーパーシックスとしてはまずまずのコンディション。淡いブルーが美しいダル・コートは、各面にしっかりと残っています。
Super-Sixのマウント部に付属している、Witnessに固定するためマイナスネジは社外品ですが、ボディにしっかり固定する役割はしっかり果たします。スーパーシックスをライカでお楽しみになる際には、このネジを外してくださいませ。
また、純正スプールが紛失しているため、フィルム先端はテープ等で代替スプールに固定し、パーフォレーションがスプロケットにしっかり噛み合っていることを確認してから、裏蓋を閉じてください。
ライカ M10-Pでの距離計連動もバッチリ、店先での試写テストもさすがのダルメイヤーの描写でした。絞り開放から繊細な線を結びます。つくづく良いレンズです。