ライカ DIIとエルマー 50mm f3.5のセット。クロームフィニッシュ、どちらも1938年(昭和13年)製。
ボディとレンズ、セットでのライツのコード名は、ABOOTCHROM。ちなみにDIIブラックのボディ単品は、1934年まではLYKAN、1934〜1948年はAIROO、そのクローム仕上げはAIROOCHROMとなります。実に複雑ですね(笑)。
駆け出しの頃、ライカ製品のコードネームを小物に至るまでほぼ全て記憶していた、超人のようなイタリア人コレクターに出会ったことがありますが、心底尊敬しました。
ライカ DIIは1932年にライカ初の距離計連動式カメラとして登場。エポックメイキングな一台です。当初はブラックペイントモデルのみでしたが、1933年にメッキ技術の向上に伴い、クロームモデルが発売されました。
スローシャッターや視度補正、吊り環は後のDIIIの登場を待ちますが、シンプル機能でコンパクトサイズのDIIならではの握り心地は絶妙です。等倍の距離計像ファインダーも合わせやすく、実用機としても一級品。
本品はオリジナルのABOOTCHROMの元箱が付いた、とても綺麗なセットです。
トップカバーに光線によって見える程度のごく薄い擦れが数本、底蓋には三脚装着跡の凹みが見られます。他は使用感少なく、ボディもレンズもとても綺麗です。
2023年4月にボディ、レンズ共にOH済。巻上げの感触、シャッターのキレ味、絞りとヘリコイドの操作感など、心地良い使い心地に仕上がっています。
レンズは前玉にごく薄い拭きキズが少々見られますが、他はスカッと抜けてクリアなガラスです。鏡胴内部の内面反射防止ラッカーも綺麗に塗り直され、より締まった描写が期待できます。距離計連動もバッチリ。
ボディもレンズもメッキの輝きが美しく、なかなか得難いコンディション!