1955年製のライカ M3前期型。ダブルストローク(ツーストローク)。吊り環は福耳。ライツの製品コードはIGEMO。製造番号は74万台。三脚ネジは大ネジです。
グッタペルカは補修跡こそありますがオリジナル、他、各部のパーツも製造時のオリジナルのまま。やや角張ったバックドアのデザイン、トップカバーの箇所のビス、ASA200のインジゲーター、巻き戻し軸の1ドット、バックドア横が結晶塗りでは無くブラックペイント、トップカバーの4箇所のマイナスネジ、ガラス圧板などなど、質実剛健・クラシカルな初期M3や段付き時代の名残を残しています。
使用感多めの個体ですが、今回の丁寧な整備でリフレッシュ。妥協無きつくりの良さを味わいつつ、撮影をドンドンお楽しみ頂ける1台です。
純正キャップ付。
シリアルナンバー付近に露出計装着による凹みや擦れ、バックドアのペイント部や底蓋など、ボディ全体に通常使用による擦れや塗装の軽い剥げが見られます。グッタペルカは補修跡がありますが、丁寧に補修されており違和感は感じません。
2023年4月にOH済。各部の操作感、とても滑らかに仕上がっています。よく整備された2ストローク巻上げならではの、チャッチャとリズミカルな巻上げに撮影へのモチベーションも上がります。この辺の万台を好むユーザーが多いのにも納得です。ファインダーもクリアー、M3ならではの見え味です。
なお、M3前期で大口径レンズを使うに当たっては、当時の取扱説明書に記載の通り、撮影しない時はキャップを付けたり、絞り込んでおくなどのお作法をお守りください。
往年もさぞかし活躍したと思われるこのM3前期型、気兼ね無く使うのは持って来いの一台です。