11930。隠れ銘玉、アンジェニューズーム。製造年は1968〜80年。当初はライカフレックス用としてラインナップされた、ライツ初のズームレンズです。製造番号は144万台。この番号はライツでは無くアンジェニューのシリアル番号で、本品は1978年製の一本。3カム。
12群15枚構成という複雑なレンズ構成。f2.8通し。フィルターサイズは67mmねじ込み若しくはシリーズ 8。
どの焦点距離においても、アンジェニューらしいしっとりとした単焦点レンズのような描写をお楽しみいただけます。特に近接では甘いフレアと美しいボケを伴った濃厚な開放描写を味わえます。絞ってもやわらかさが残るところが現代では個性として引き立つでしょう。毎回、試写にウットリさせられるレンズです。
当店スタッフが以前愛用していたアンジェズームです。通常のズームレンズとは異なるヘリコイドやズームリングの配置なども、使い込めば納得のポジションだそう。ライカ SLシリーズで使われているお客さまも多く、相性バッチリ。
2019年にフルOH済。丁寧な整備の恩恵で、現在もヘリコイド、ズーム、絞りの操作感は大変スムースな状態を保っています。整備が難しいレンズとして知られていますが、本品のガラスは一部の分解できないエレメントを除いて全て清掃を行っています。前玉裏の周辺部にうっすらとしたクモリ、中玉に拭き傷が少々見られますが、アンジェズームとしてはまずまず綺麗な部類に入るでしょう。鏡胴は使用感少なく、綺麗なコンディション。
また、焦点距離によりピント位置が変わってしまう個体が多いレンズですが、本品はズーミングをしてもピント位置は安定しています。
純正フード、フィルター、アンジェニュー銘の専用前キャップが付属。
前回販売時のものですが、試写館に作例を掲載しました。ご覧頂ければ幸いです。