ライカ A型オリジナル、及びA型改DIIIのセット。なんとシリアル番号「3575」と「3576」の連番です!
1927年の製造当初には、Wetzlarのライツの工場で隣り合って並んでいたであろうこの2台。
「3576」のA型オリジナルは、当店のお得意様の手を渡り歩き、なんと今回で7度目の販売です。「3575」を既に所有していたお客様が、ご自分のボディと連番となる事に気付かれ、過日お買い求め頂きました。
「3575」は、ライツにてA型からDIIIに純正アップグレードされた一台で、ヘリコイド番号3番の旧エルマー付。淡いパープルのコーティングが施されています。距離表記はmeter。
「3576」は、この番号帯に見られる「矢羽根」付、マッシュルームレリーズ、近接旧エルマー、閂の底蓋、荒シボのグッタペルカ、小文字の銘板など、当時のオリジナルを保った役満ライカ A型です。距離表記はfeet。HFOOK単独距離計付。
おそらく95年振りに隣り合ったであろう、この2台を離ればなれにするにはあまりにも忍びなく、連番でのセット販売とさせて頂きます。
どちらのボディも丁寧に使われて来た感タップリ。時代なりの使用感はありますが、目立ったダメージも無く、黒&ニッケルの鈍い輝きも美しい貫禄ある佇まい。純正レンズキャップ2個付。
「3575」A改DIIIは、トップカバーに2箇所ほどごく軽微なアタリが見られます。2022年12月にシャッター分解清掃、距離計調整済。レンズも過去に丁寧な整備が行われており、距離計連動バッチリ、各部の操作感滑らかです。前後玉に軽微な拭き傷は見られますが、ガラスはスカッと抜けています。
「3576」A型矢羽根付は、当時のオリジナル状態を保った希少な個体です。2019年にカメラ、HFOOK距離計共にOH済。レンズも拭き傷やクモリも見られず綺麗です。なお、このA型はマッシュルームレリーズですので、巻戻しの際はレリーズを押し続ける必要があります。このA型での作例は当店にも多数展示してあります。
1台は形を変えつつ、1台は製造当初そのままに。今日までの95年愛されてきた、2台のライカ A型が辿ってきたそれぞれの歳月に思いを馳せる連番セット。写真機として至極であるのはもちろんですが、酒肴としても最高です(笑)