銘玉、W-ニッコール C 35mm f1.8。1956年9月発売。5群7枚構成。フィート表記。新種ガラスを採用。発売当時は世界で最も明るい広角レンズで、素晴らしい描写で高い評価を得た一本。その後はキヤノン 35mm f1.5、ズミルックス 35mm f1.4等が登場し、広角レンズも大口径化が進んでいきます。
緻密な描写と穏やかなボケで、雰囲気の良い作画が魅力の国産オールドレンズの定番アイテム。明るい35mmを探すと気になってくる一本でしょう。
残念ながら、ライカのボディにはレンズガードが内部で干渉しますので、アダプターを介しても装着できません。ミラーレス機へはもちろん装着可能、現代ではこの銘玉の活躍の場も広がりました。
描写が良いが故に使い込まれた個体が多いレンズですが、本品は使用の形跡少なくかなり綺麗な外観です。ブラックペイント部やクロームメッキも良好なコンディション。
2023年1月にフルOH済。各部の操作感、とてもスムーズに仕上がっています。
前玉にはごく浅い拭き傷が数本、後玉にも同様に拭き傷はわずかに見られますが、クモリ等は無くガラスはスカッと綺麗に抜けています。このレンズに散見されるバル切れも見られません。ニッコール 35/1.8としてはかなり綺麗なガラスでしょう。
試写館に作例を掲載しました。絞り開放付近でのやわらかで甘い写りが印象的でありながら、緻密さな描写が美しい絵を描きます。ライカ SL typ601に装着した姿もカッコ良いレンズです。