SAWOM、後のコードは11308。ズミクロン 35mm f2、8枚玉。カナダ製。クローム仕上げ。製造番号は185万台、1961年製。最短撮影距離は0.7m。
しっとり滲んだ絞り開放付近の描写が特徴的なライツの銘玉。絞るとグッと立体感が高まり、更に絞りこむと鮮鋭な写りへと変化します。美しい絵を求めて撮り方を模索したくなる、そんな一本。
描写はいわずもがな、ライツ黄金期らしい機能美溢れるデザインとつくりの素晴らしさも大きな魅力。ITDOOやIROOAフードを装着した、端正で気高い姿には毎度ウットリ。
純正前後キャップ、13132 UVaフィルター付。
ヘリコイドリングや操作ノブなどに軽微な擦れは見られますが、使用感少なく綺麗な外観です。清潔感を保ちつつ、あまりに綺麗過ぎず、気兼ねなく使うには良いコンディションでしょう。
2022年12月にピント調整を含むフルOH済。毎度ながら丁寧な整備により、絞りやヘリコイドの操作感は滑らかに仕上がっています。無限遠ストッパーの収まるしっとりした感触も絶妙、距離計連動もバッチリです。
レンズはオリジナルのコーティングが各面にしっかりと残っています。前玉には線状の拭き傷がやや多めに見られます。また、中玉には強いLED光を当ててわかる程度のコーティング劣化によるクモリが見られますが、実写テストでは影響は感じられませんでした。
試写館に作例を掲載しました。初詣、箱根駅伝の観戦に持ち出してみましたが、実に8枚玉らしい写りが味わえました。いずれも絞り開放での撮影です。試写はライカ SLですが、ライカ M10-PやM240での距離計連動も良好です。