SIMON-M。後のコードは11306。製造番号は169万台、1959年製のニッパチズマロン。ズマロン 35mm f3.5と同じガウスタイプの4群6枚構成ですが、屈折率の高いランタンガラス採用で一段明るくなり、解像度が更にアップしました。また、フィートとメートルが両併記になったのも嬉しいポイント。純正フードはITDOO、またはIROOA。
ズミクロン 35mm 8枚玉の初期同様、マウント基部のいもネジを外すと、ライカスクリューマウントとしても使えます。Mマウント使用時の最短距離は0.7m、Lマウントの場合は1mとなります。
絞り開放からほどよい周辺落ちを伴ったシャープな描写で、雰囲気のある作画が楽しめます。戦後ライツの絶頂期、8枚玉ズミクロンと共通の端正な鏡胴デザインもたまりません。
近年また人気が高まっている、ニッパチズマロン。定番レンズと思われていますが、生産本数は意外と少ないレンズでもあります。
使用感ほとんど見られず、全体的にとても綺麗な外観です。
2023年1月にピント調整を含むフルOHを行ました。
中玉の端に沿ってごく軽微なバルサム剥がれが一箇所、またコーティングに若干の傷みが見られますが、写りにはまず影響無いでしょう。
丁寧な整備により、距離計連動もバッチリとなりました。絞り、ヘリコイド共にリングの使用感も極上で、大変気持ち良く使える1本。
付属の純正キャップはアルミ製です。