東京光学製。1953年頃の製造。岡田氏・上野氏共著 35mm版オールドレンズの最高峰「50mm f1.5」によると、本品は1938年に冨田良次氏が設計。前群ゾナー型、後群ガウス型を組み合わせ、双方の収差を新種ガラス以前にバランスをとって極小化することを試みた画期的なレンズであるという評価が記されております。
中心部の解像感の高さと周辺の甘さが良い具合のレンズですが、絞り開放f1.5を誇るオールドレンズとしては驚異的な描写と言えるかもしれません。小振りながら重量は325gとズシリと重さを感じます。珍品。
当店にて販売をさせて頂いた個体が出戻って参りました。大切にお使い頂き、前回販売時と変わらぬコンディションを保っています。鏡胴は僅かに擦れが認められる程度で、綺麗な状態です。
2020年にフルOH済です。絞り、ヘリコイドはしっとり滑らかな操作感を保っています。ピントや距離計連動も大変良好。
深いブルーのコーティングが美しいガラスは、各面クモリ無くスカッと抜けています。このレンズとしては希有なコンディションと言えるでしょう。
前回販売時のものですが、試写館に作例を掲載しました。デモ機のライカM240、距離計での撮影です。全て絞り開放。立体感のある素晴らしい開放描写にスタッフ一同ウットリ。