11930。隠れ銘玉、アンジェニューズーム。製造年は1968〜80年。当初はライカフレックス用としてラインナップされた、ライツ初のズームレンズです。製造番号は125万台。この番号はライツでは無くアンジェニューのシリアル番号で、本品1969年製造の個体です。3カム。
12群15枚構成という複雑なレンズ構成で、f2.8通し。フィルターサイズは67mmねじ込み、またはフードと組み合わせてシリーズ 8を使用します(本品にフードは付属しません)。
どの焦点距離においても、アンジェニューらしいしっとりとした単焦点レンズのような描写をお楽しみいただけます。特に近接では甘いフレアと美しいボケを伴った、濃厚な開放描写を味わえます。絞りこんでもやわらかさが残る描写は、現代では個性として引き立つでしょう。
鏡胴には僅かに小傷が見られますが、黒ペイントの状態は良好な肌を保っています。初代アンジェズームとしてはかなり綺麗な外観です。
以前のオーナー様の元で2021年にフルOHが施されており、絞り、ヘリコイド、ズームの動作はいずれも大変スムーズです。アンジェズームはズーミングによりピントの位置が移動する傾向がありますが、この個体も若干ではありますが同様の傾向が見られます。
ガラスにはクモリや目立った拭き傷もみられず、大変綺麗な状態を保っています。このレンズとしては、かなり上位に位置するガラスコンディションでしょう。