独バルダ社製の上級モデル、バルダクセッテ II。1937年登場の6x6cm 中判スプリングカメラ(120フィルム)。ハーフミラーを用いない上下像合致式の距離計を内蔵。左目でファインダー、右目で距離計というワザを身につければ、素早い撮影が出来るかもしれない、撮影技巧派(?)の方には楽しいカメラです。
付属のレンズは定評のあるシュナイダー製 クセナー75mm f2.8。当時としては贅沢な装備でしょう。1/250のコンパーシャッターを採用。ボディ側のボタンでレリーズが可能。赤窓が装備されていますが、ノブの回転角で制御される自動巻き止め機構を装備しています。使用するフィルムによって送り量が変わってしまうかも知れませんので、赤窓を併用されるのが最善でしょう。
無骨なスタイリングに独自機構が導入された、なかなか魅力的な戦前ドイツの中堅カメラです。
前蓋の黒塗装部に剥げ、またクロームメッキが施されたトップカバーやレンズのシャッター速度リング、巻上ノブには軽微な擦れが見られますが、全体的にはコンディションの良い個体です。
各部の動作正常です。レンジファインダーも正常に動作しています。レンズのガラスも綺麗で、クモリ無くスカッと抜けています。
使い勝手を考慮して真面目に設計開発がされたカメラ、というバルダ社の心意気が伝わってくる一台。地味ですが、良いです。