SIMOO / 11006。162万台。最初期のズマロン 35mm f2.8、ライカスクリューマウント。製造初年度の1958年に生産された2本のうちの1本。ドイツ製。先代のf3.5から0.5段明るくなったニューズマロンは、新種ガラスを採用した4群6枚構成、ダブルガウス型。初期型の本品は実測でわずか114g。後のズマロン f2.8よりも２割ほど軽量で、持ち比べてもはっきりと違いが分かります。
8枚玉ズミクロンと鏡胴デザインを共有しており、なんともスタイリッシュな外観です。IIIfやIIIgなどのバルナックライカに装着すると、見え目にも非常に映えます。
絞り開放では全体的に穏やかな描写ながら中心部の解像は良く、ドラマチックな周辺落ちが楽しめます。ズマロンをよく知る人の中には、8枚玉よりこちらを好む方もいらっしゃるほど。実に魅力のあるレンズです。
鏡胴の基部に2点ほど小さなキズが見られる他は、使用感ほとんど見られず、美しい外観です。
2022年7月にフルOHが施され、絞りとヘリコイドの操作感は絶妙なトルク感と滑らかさ。無限遠ストッパーもスルリと滑り込む滑らかさです。
美しい外観と相まって、レンズにも拭きキズやクモリは見られず、スカッと抜けたとてもクリアなガラスです。各面のコーティングもしっかりと残っています。純正前キャップ、プラケース付。
試写館に作例を掲載しました。しっかりとしたコントラスト、鮮明な描写でニッパチズマロンらしさを楽しめました。いずれも絞り開放にて撮影しています。
販売準備中に店頭にて売約済みとなりました。ありがとうございます。