心躍るフォクトレンダー・プロミネントのてんこ盛りセット！これだけ揃えるには相当大変でしょう。それが一同に！
ドイツ本国やイギリスなどでは良く見かける、革のアウトフィットケースに入った、プロミネントの旦那セット。同様のセットはベッサマチックなどでも良く見られます。
戦後のフォクトレンダーを代表するレンズシャッター機、プロミネントが2台、交換レンズ5本、ミラーボックス、接写アクセサリー、フィルター類などが揃った豪華セットです。ボディはプロミネント I型シュー付の後期モデル、レバー巻き上げとブライトフレームが採用されたIa型、レンズは銘玉Nokton、Ultron 50mmに加えて、Skoparon 35/3.5、Telomar 100/5.5、Super-Dynaron 150/4.5が付属。UVフィルター、カラーフィルター、接写アタッチメント、フードマスク、ボディキャップやレンズキャップなど付属品も多数です。
プロミネントはレンズ交換式のレンジファインダーカメラですが、レンズシャッターを採用。ライカやコンタックスとは異なる、独特な世界観を楽しめるシステムカメラ。
レンズ側にはヘリコイドはついておらず、カメラボディ側のヘリコイドを操作してピント合わせをする構造で、マウントからシャッターユニットが一体となって前後するという珍しい構造を採用しています。このため、焦点距離が異なる35mmレンズは、繰り出し量を減速させる機構を内蔵しています。フォクトレンダーが優れた技術を持っていた証しですね。
プロミネントは1950年、第1回フォトキナにて発表され、当初は小型カメラとして、かなりの注目を浴びたカメラだったそうです。
翌1951年から供給が開始されましたが、当初は50mmの標準レンズとミラーボックス付きの100mmのみのラインナップ、発売開始から3年も経過した後の1954年に35mmのスコパロンがようやく登場。当初購入した人々は、交換レンズの不備に不満を持ったのでは無いでしょうか。それが災いしたのか、プロミネントの売れ行きはその前評判とは裏腹に芳しいものではありませんでした。
なお150mmは距離計非連動となり、カメラ側の距離計を用いて距離を測定し、その距離にヘリコイドを合わせるという設計。この辺りも不評を招いた原因だったかもしれません。
しかしながら、現代ではこのややこしい操作感や高い質感、工作精度などがメカマニアにはたまらないものでしょう。
巻き上げがノブ式のI型は、無限遠で二重像が行き足りませんが、ピントグラスの確認では距離計の連動はおおよそ合っています。レバー式巻き上げのIaは連動良好です。
ノクトンは前玉周辺部にお約束のバル切れが僅かに見られますが、拭き傷やクモリは無くスカッと抜けています。ノクトンとしては、かなり綺麗なガラスでしょう。ウルトロンとスコパロンも良好なガラスコンディションです。スーパーダイナロン150ミリには前玉にバル切れ、テロマー100ミリにはミラーボックスに内蔵される後玉にクモリが見られます。ミラーボックス用の直立ルーペ、ペンタプリズムルーペともにクモリがみられます。
本品は保証無し、現状品での販売となります。