M609万台。1951年1月から12月にかけて製造されたニコン S型です。シリアル番号にMの文字が付いているため、通称MSと呼ばれるモデル。
シリアルの下にある赤点はフィルム面の位置のインジケーターとなっておりM型には見られない特徴です。
シンクロ接点が向かって右側の前方に高速シャッター用(1/20以上)としてF符号の接点、後方に低速シャッター用(1/8以下)としてS符号の接点を装備。クロームメッキは、ニコン I型から続く肌目が細かく、鈍い光沢感の梨地メッキ仕上げ。
付属のニッコール 50/2は、Nippon Kogaku Japan銘ではなくTokyo銘、捨て番5008が付された固体です。この捨て番は1950年8月を表し、5008xxxxのシリーズはライカLマウントを含めて約1,000本が製造されたと言われています。
Robert J Rotoloni著、「The Complete Nikon Rangefinder System」によると、ボディ番号M6093188 と レンズ番号50081060は、当時からのセット品であると記されています(p.225に記載)。
本品におけるシリアル番号の関係性に近似しており、本品も当時からのセットであろうと推測されます。ちなみに本品のレンズ番号は、書籍掲載の50081060の一つ前(!!!)の50081059です。本の個体と連番でした!並べたい衝動に駆られまくります。
使用感少ない固体です。経年劣化による黒塗装の劣化や落ちが少々みられますが、ありがちな補修塗装もみられず、ニコンMSとしては状態の良い個体です。
2023年4月にボディ、レンズ共にOH済です。各部の動作快調。ファインダーには劣化がみられますが、二重像のコントラストはしっかりしています。見え味良好です。
レンズのガラスには軽微なヤケが見られる程度で、クモリ無くスカッと抜けています。