独Welta社製の6x9判カメラ、スーパーフェクタ。1935年頃の発売です。120フィルム使用で8枚の撮影が可能。兄弟機には6x6判のペルフェクタがありました。折りたたみ式の二眼レフという珍しいカメラで、メカ好きにはたまらない独特な機構が満載です。
レボルビング機構を搭載し、レンズボードを90度回転させることで横位置への切替ができる(ファインダーフレームも機械式で自動的に切り替わる!)という、凝りに凝った機構を搭載。切り替え時には、各部が所定の位置にきっちりと納まっていることが肝要ですので、操作にはそれなりの丁寧さが求められます。折りたたみ式の宿命ですね。
テイクレンズにはテッサー105mm f3.8、ビューレンズは75mm f3.8という組み合わせ。1/250のコンパーシャッターを搭載。設計者の意地さえ感じる時代のあだ花的カメラですが、独特な佇まいでコレクション棚にも映える一台です。
カド部の黒塗装落ちなど、各部に多少の使用感は見られますが、スーパーフェクタとはかなり綺麗なボディです。タスキ部などにもガタつきは見られません。
2022年12月に各部の分解調整、清掃済。故障しやすいレボルビング時の視野枠切り替えもしっかり作動し、各部の操作感良好です。レンズは後玉に線状の傷が見られます。
折り畳みの際には、ついスタンドの収納を忘れてしまいがちですので、まず収納されていることを確認して下さい。その上で、レンズボードを閉じる際には、ピントフードの左右の下部にあるロック機構(ニッケルメッキの部品)がボディを乗り越えられるように手を添えてサポートする必要があります。慣れないうちは、手順と動作状況を確認しながら丁寧に操作して頂ければと思います。稀少品。
参考:カメラレビュー クラシックカメラ専科2 P.116