11309。1970年製。製造番号は248万台。ズミクロン 35mmの第2世代、6枚玉。本品は絞りリングに突起のついた初期モデル、通称ツノ付。ライツカナダによる製造です。
初代の8枚玉に続き、こちらも近年は程度の良い物を探すのがなかなか難しくなってきました。8枚玉の陰に隠れがちな6枚玉ですが、ほど良いヘリコイドの回転角と指先へフィットするフォーカスノブに始まり、やや渋めの発色と硬すぎない描写など、魅力が詰まった良いレンズです。
このツノ付モデルに限り、ツノ部分と距離リングのツマミが干渉するため、当初から無限遠指標と絞り指標の位置がズレていますが、これが正解です。フィルター径はE39。適合フードはズミルックス 35mmと同じく12504フード、または50mmと共用の12585です。
純正前後キャップが付属します。
2022年3月に専門業者にてピント調整を含むフルOHを施しました。6枚玉のカタカタしたあのチープな絞りとは無縁のしっとりとした操作感です。ヘリコイドもとても滑らかな仕上がり。距離計連動もバッチリです。
絞りのツノにごく僅かな黒塗料落ちがみられますが、かなり綺麗な外観です。
レンズ前玉には強力なLEDライトにかざしてやっと分かるほどのごくごく薄いカビ痕が見られます。クリーニング処置が施されており、これ以上広がることはありませんのでご安心ください。もちろん撮影への影響はまず見られないでしょう。綺麗なボディによく似合うツノ付きです。
実写結果も大変良好。試写館をご覧頂ければ幸いです。全て距離計にて、絞り開放にて撮影しております。