モデル 620。120フィルム使用。ローライフレックス・スタンダード、初期の一番暗いテッサー f4.5付。指名買い多いモデルで、コレをお探しの方も多いでしょう。1932〜34年頃の製造です。シャッターは1/300。クラシカルな外観や操作感、その軽快さは後のローライ 2.8F等とはまた違った魅力があります。シャッター音も優しく心地良く耳に響きます。黒塗りとニッケルメッキの組み合わせがしっとりとした美しさで、ライカ A型などと同じく、愛でたくなるカメラです。
ファインダースクリーンは、以前の整備の際に現代のスプリットイメージに入れ替えられており、見え味は良好です。オリジナルのガラス方眼スクリーンも付属していますので、オリジナルに戻すことも可能です。ボディ背面の赤窓にはお手製のキャップが付属。以前のオーナーさんのローライ愛を感じる実用を重んじた工夫です。
製造年代を考慮すれば、コンディションの良いスタンダード f4.5。ピントフード横の黒塗装は落ちていますが、銘板やボディ背面部の被写界深度表などの黒塗装はしっかり残っており、目立ったアタリや凹みなどは見られません。ニッケルメッキの状態も良好です。テイクレンズも驚くほどに綺麗です。クモリはもちろんのこと、拭き傷も見られません。
2022年3月に専門業者さんにてOH済。シャッター、巻上げクランクの修理、レンズ分解清掃、ピント調整などを実施しています。シャッターや絞りの操作もしっとり滑らかになりました。ミラーには軽微な点状の腐食が見られますが、ファインダーは良い見え味です。飴色が美しい革ケースは専門業者にて一度縫い直しがなされており、窓のセルロイドも新しいものに交換されています。