OCSUC / 11871。製造番号176万台、1960年製のズミルックス 35mm f1.4初期玉のライカ M3用メガネ付。近年ではスチールリム (Steel Rim) と呼ばれます。特徴的なその描写のみならず鏡胴の仕上げも美しく、ライツ全盛期らしい見事なつくり込みを堪能いただけます。
50ミリ視野枠をそのまま35ミリに変換させるメガネは、クモリさえ無ければライツらしくスカッと見事な見え味です。絞り開放ではフレアやゴーストが出やすいレンズですが、半段絞るだけで落ち着きが得られます。描写のクセを体得して、描写を作りこむ作業こそがこのレンズを楽しむ真骨頂でしょう。OLLUXフードを装着した姿も最高にカッコいいレンズです。
メガネ部裏や鏡胴の梨地メッキ部に軽微な擦れ、角形のメガネのクロームメッキ部にごく軽微で目立たぬアタリが見られますが、全体的にはかなり綺麗な外観です。
2022年8月にフルOH済。例によって、絞り、ヘリコイド共に大変スムーズな操作感に仕上がりました。絞り開放での近接撮影ではごくわずかに前ピン傾向が感じられますが、少し絞れば収まります。
メガネ、レンズのガラスは大変クリーンで、目立った拭き傷も見られません。僅かにレンズの中玉にコーティングの傷みが見られますが、撮影への影響まず無いでしょう。
実写テスト結果は大変良好でした。M2用スチールリムは1mが最短ですが、メガネ付きは0.65m。撮ることを旨とする方にはこちらが一枚上手な存在かも?