アルパ 9d。シルバーボディ。スイス・ピニオン社製のアイレベル一眼レフレックスカメラ。世界で3番目に登場したTTL機。高級路線、かつ小規模生産を続けたアルパとしては、一番多く販売されたモデル。こちらの銀塗りが4,391台、黒塗りが665台生産されました。ピニオン社の商品コードはDABODY、黒塗りはNORDABODY。そして標準レンズは銘玉マクロスイターです。
アルパの魅力は、少数生産の高級機ならではの重厚感や凝ったつくり、仕上げのみならず、多種多様なレンズ群にあるでしょう。
自社製レンズを持たないため、各国の優れた光学メーカーから多様なスレンズが用意されていました。スイス・ケルン社、スイス・スペクトロス社、オランダ・オールドデルフト社、ドイツ・シュナイダー社、フランス・アンジェニュー社、フランス・キノプティック社、ドイツ・キルフィット社、日本からはチノン社や旭光学社と、実に多用なレンズ群に囲まれています。
吊り環周辺、カド部など各所に銀ペイント落ち、底蓋に擦れ、巻上ノブの透明プラパーツに微細なヒビが見られます。ペンタプリズムの結晶塗装は剥げも少なく、9dとしては比較的綺麗なボディです。
2025年1月にOH済。シャッターや巻き上げ等、各部の動作快調です。
露出計の作動も適正範囲ですが、アイピースからの逆入射光も用いて露出の調整を行うという複雑な仕組みのためか、アイピースと目の位置関係で露出計の針が変わってしまいます。適正な露出が得られる構え方(?)を予め把握した上で、お使いになられるのが良いでしょう。なお、バッテリーは減圧アダプターは使わずに、1.5Vをご使用ください。