1956年に発売されたニコン Sシリーズ用の超大口径レンズ、ニッコール-N.C 50mm f1.1。6群9枚構成。写真用のニッコールとしては、Fマウントの物を含めて最大口径のレンズです。ズノー 50mm f1.1、フジノン 50mm f1.2、ヘキサノン 60mm f1.2等の戦後の大口径競争に対する日本光学の回答。本品は内バヨネットタイプです。外爪、内爪合わせて僅か835本の製造。絞り開放付近ではかなりやわらかい描写でやや暴れる印象ですが、f1.3程度から安定してきます。試写館をご覧頂ければ幸いです。
当店販売品です。2018年にフルOH済。各部の操作感は以前と変わらず滑らか。フィルターリングに僅かな擦れが見られる程度で、全体的に綺麗な一本。レンズにも拭き傷やクモリはみられません。ご多分に漏れず中玉周辺部に沿ってわずかにバル切れがみられますが、真ん中はスカッと抜けており、写りもニッコールらしい味わいです。デジタルライカ Mとアダプターの組み合わせでは、レンズの後玉ガードが距離計コロと干渉しますので距離計が正常に機能しません。ミラーレスデジタルカメラには使用可能です(当店デモ機のソニーa7にて確認済み)。