英国のPeto Scott社が製造し、イルフォード社が販売したライカコピー機、ウィットネス。1952年頃の製造。製造台数は350台以下のレアカメラ。ライカコピーの中でもひときわ秀逸なデザインで、Witnessのロゴも最高、Tシャツを作りたくなる格好良さ。
当初、WitnessにはDaron 50mm f2.9が標準装着される予定でしたが、それではスペックが凡庸との理由で、急遽大口径のダルメイヤー・スーパーシックス 2inch f1.9が採用されました。往時も現在も高性能で評を博す、4群6枚ダブルガウス型の銘玉です。
Witnessは専用バヨネットながら、ライカ・スクリューマウントに互換対応。各種のライカスクリューマウントレンズが装着できます。標準装備のSuper-Sixレンズは最短3.1ftまで距離計連動。そこからはピントレバーのボタンでストッパーを潜り抜けると、非連動ながら1.8ftまで近接が可能です。珍品。
トップカバーのシャッターレリーズ付近に、軽微な凹み(波打ち)が2箇所ほど見られます。Super-Sixレンズの先端部の黒塗りは、お約束通り剥げています。他、全体的に時代なりの使用感は見られます。
2022年7月にシャッター幕交換、距離計ミラー交換を含むOHを行いました。レンズもOH済。各部の作動OKです。レンジファインダーの見え味もクリア。
レンズはわずかに鏡胴にガタがあり、無限遠では距離計像が少々行き足りませんが、ピントや連動に問題はありません。他のライカLマウントレンズを装着すると二重像はピタリと合致します。
肝心のSuper-Sixレンズは、前玉に軽微な拭き傷が2〜3本とガラスの焼けが見られますが、目立った拭き傷やクモリは見られず、スカッと抜けた綺麗なガラスです。コーティングも全面残っています。実写結果も良好でした。
付属スプールはExakta用。革ケースはさすがの英国製、内部の革の接着は一部剥がれていますが、まだまだ堅牢さを失っておりません。