独Freiburgのフツーラ・カメラが1952~57年の間製造した上位機種、フツラ S用標準レンズ、フリロン 50mm f1.5。隠れた銘玉として、密かな人気レンズ。4群6枚構成ながらダブルガウス型ではありません。コンパクト軽量ながらf1.5の明るさを持つ優れた設計には感銘を受けます。
開放ではやや甘い描写ですので、一段程度絞ったあたりが使い頃でしょう。オールドレンズらしいボケ味と周辺の歪みが見られ、美しい滲みの中に繊細さを持つ上品な描写が魅力です。
フツラは謎の多いメーカーですが、小メーカーながらシュナイダー社の設計士により設計された、このFrilon 50mm f1.5やFrilon 70mm f1.5などの素晴らしい大口径レンズを短期間の間に送り出しています。(oldlens.comさんの記事を参考にさせて頂きました)。珍品。
使用感少なく、良好な外観を保っています。アタリや目に付くような大きな傷は見られません。
2022年8月にフルOHと合わせて、Mマウント改造を施しました。各部の操作感は例によって大変滑らかな仕上がりです。入念な距離計連動カム加工により、0.7m付近から無限遠までしっかりと距離計に連動します。
レンズは前玉に浅い拭き傷が多く見られますが、クモリは見られません。かなり傷んでいる個体が多いフリロンレンズとしては良い方でしょう。実写テスト結果は大変良好でした。試写館にて作例をご覧頂ければ幸いです。
また、フリロンのレンズヘッドはネジ込み式ですので、ヘリコイドから取り外せばフツラボディでも撮影可能です。
本品にはこのフリロン 50mmの他に、フツラ本体、アンプリゴン 35/4.5、テレ・エロール 90/5.6と純正90mmファインダー等が付属します。しかしながら、これらは未整備でクモリも多く、現状品とさせて頂きます。オマケ程度とお考えください。