製造番号56xx、1928年製のライカA型 旧エルマー付き を、フランジバックがスタンダード化されたタイプのライカC型へとアップグレード改造した一台です。三脚ネジは大ネジ。
旧エルマーのマウント面には0マークが刻印されており、標準化されたフランジバック対応品。距離計連動カムも付いており、バルナックはもちろんのこと、L/Mリングを介せば現代のライカM11でも距離計連動で楽しめます。
本品の工場出荷時は、マッシュルームレリーズ、背が低くローレットの目が細かいノブ、底蓋のロックはカンヌキといった仕様だったでしょう。後年のC型への改造の際に、各部パーツは「当時の最新仕様」にアップグレード。ライツの手の込んだ細かな対応には驚かされます。
旧エルマーのヘリコイドは全周タイプ、無限遠ロック無し、メートル表記。ガラスはゲルツ製。3群4枚の構成は後年と変わらずですが、開放付近の力感と立体感のある写りは旧エルマーならでは。当店のお客様からも根強く支持されるレンズです。
本品はコロナ以前(!!!)、2018年のヨーロッパ買い付けの際、Wetzlarにほど近い町でコレクターから買い付けた一台です。言うなればお膝元仕入れ笑
複数回にわたる整備を終えて、ようやく日の目を見ることになりました。きちんと使えるカメラとレンズを提供することを重んじるが故に、ドツボにハマった事例です(苦笑)
各部にペイント落ちや擦れ、塗料やメッキの劣化が見られます。底蓋のブラックペイントはヒビが入ったようなエイジングです。製造から98年が経過しており、沢山の思い出を写真として残してきてくれたことでしょう。数年に渡る今回の整備でリフレッシュ、これからも現役のカメラとして活躍してくれます。
2026年8月にボディ、レンズ共にOH済。操作感良好に仕上がっています。ファインダーの見え味もスカッとクリアです。
フルOH済の旧エルマーも素晴らしい操作感です。距離計連動もバッチリ。
レンズのガラスには軽微な拭きキズ、経年によるガラスヤケが見られますが、描写への影響は感じられません。純正フードのFISONや当店謹製の絞り操作機能付きFB-07フードを装着すれば、より寄り引き締まった写りが期待できるでしょう。
当店デモ機のライカM10-Pでの実写テストでも、画像中心をしっかりと写し取り、芯のある写りが楽しめました。約100年前のレンズとは思えません。
ベークライト製の純正前キャップが付属します。