
「絞り操作ができる、エルマー用フードが欲しい!」
ライカ&エルマー・ユーザーなら一度は思う、
そんなリクエストにお応えしました!
Elmar 50mm f3.5。
1924年から今日まで、100年近くにわたって製造され、
ライカの名声を築いた銘玉中の銘玉。
しかしこの銘玉には、
使いやすくデザインも良いレンズフードがなかなかありません。
純正のFISONフードは、指先での絞り操作が煩わしく、
うっかりガラスにも触れてしまいそう。
引き伸ばし用フードVALOOは、フード効果抜群で絞り操作もしやすいけれど、
重たい上に見た目がどうにも野暮ったい。
FISONに挟み込む絞りリングVOOLAは、
毎度フードのネジを緩めるのがこれまた面倒くさい。
英国Cooke&Perkinsは、絞り操作可能なスタイリッシュなアルミ製フードを
製造していたけれど、こちらは激レア。
世にエルマー使いは数知れず。
しかし、そのフードとなるとこれまで決定打はありませんでした。
ならば、良いとこ取りで作ってみますか!
と、意気揚々とスタートしたのが、今回のエルマーフード・プロジェクト。

しかし、その考えが甘かったとすぐに思い知らされます。
なにがしレリーズでもお世話になった山崎義樹さんとも意気投合、
数種のエルマーから割り出した寸法を元に図面を引いてもらい、
出来上がった試作品を装着。
「回転するはずのフード部が動か〜ん!」
「絞りツマミにツメが掛からない….」
「大きすぎる、重すぎる...」
ごく僅かな寸法の差で、フードが外れやすくなったり、
絞りが動かせなかったり。
A36エルマーが製造年代によって、銘板の外径、最小絞り値、絞りツマミの可動角、
幅や高さなどが異なるのは知ってはいたけれど、
まさかここまで違うとは…。
開発担当のスタッフ Mと共に、目の前真っ暗。
一度は計画も頓挫します。
そして、あれだけ膨大なライカ用アクセサリーを揃えていたライツや他メーカーが、
絞り操作可能なフードを何ゆえに発売しなかったか、その理由を思い知らされます。

しかしながら、日々一筋縄ではいかないアイテムとお客さん(失礼!)を
相手にしているフラッシュバックのスタッフ、そうたやすくは諦めません。
中でもイバラキ出身のスタッフM(中望遠地位向上委員長)は、
愛してやまない納豆の神様が乗り移ったかのように、
実に粘り強く問題と対峙し、解決策を探ります。
また、エルマーのヘビーユーザー、修理業者さんからの貴重なアドバイスやひらめきから、
設計や工作過程を細かく見直します。
徐々に徐々に、道は開けてゆきます。

試作フードが出来る度に、ライカA型旧エルマー付から赤エルマーまで、
歴代モデルを引っ張り出しては机上に並べ、
テスト、テストを繰り返します。
各時代ごとに複数のサンプルを用意し、
時代差と個体差をみながら適合具合を確認していく地道な作業。
そして、ようやく全てのモデルに適合するサイズを割り出しました。
多くの方々のご協力を得て、ついに完成へと辿り着いたエルマー用レンズフード FB-07。
フラッシュバック カメラ、渾身のアイテムです。
世のエルマーLOVER、そしてライカを愛する方々の
新しいスタンダードとなる事を願ってやみません!

【特徴】
All Made in Japan.
・デザイン、設計、製造、グリス入れに至るまで、全て日本の職人の手により生まれました。
・どの時代のエルマー、バルナック・ライカにもM型にも良く似合う、主張しすぎないデザイン。
・厳選された真鍮材に焼き付け黒塗装。堅牢なつくりです。
ライカのブラックペイントと同じく、経年による育てる楽しみも。
・フード先端部には縦ローレットが刻まれ、指掛かりも良く、絞り操作を容易にします。
・FLASHBACKの「F」を打刻したフードの留めネジは、交換可。
銀漆、黒染め、真鍮素地の3種をご用意。
お好みに合せてどうぞ。
・フード先端にはA36径のキャップが装着可。
・専用に調合されたグリスを用い、レンズ整備の匠が一つ一つ丁寧に組み立て。極上の操作感。

フードの旋盤加工を行ってくださった、川崎の渡辺製作所さんにて。
【ご使用上の注意】
※フード内側のツメが、レンズ銘板に接触しないことを確認してご使用ください。
接触する場合、フード部をさらに半時計方向へ回し、銘板とのクリアランスのある事を確認し、装着してください。
※銘板が歪んでいるなど不具合のあるレンズでは、正常に動作しません。使用なさらないでください。
レンズやフードの損傷、フードの脱落が起きる可能性があります。
【装着方法】
1. フード部を時計方向に回しストップしたところから、1回転ほど反時計方向に戻します。
2. フード内部のツメに、レンズの絞りツマミを合わせます。
3. フードの留めネジを固定します。
以上で、貴方のエルマーの絞りがスルスル滑らかに動きます。
↓ YouTubeの動画もご覧ください。